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 日本メディア大誤報
欧州議会選挙で日本のメディアは「中道派過半数割れ、極右懐疑派躍進」の大誤報
「独仏同盟はマクロン主導の時代へ」
  • 親EUの新しい中道4派は518議席を獲得して3分の2を超え圧勝した。
    (過半数は376、3分の2は501)
    日本のメディアは中道派過半数割れ、EU懐疑派台頭の報道をしたが、過半数割れはドイツのCDU/CSUとSPDの話。たしかに両党は従来確保してきた過半数を割ったが、替わりにフランスのマクロン党と各地の緑の党が躍進し、新しい中道4派を形成して圧勝した。
  • 新しい中道派では、縮小傾向の大連立のドイツに対して、新党「共和国前進」の立ち上げで左右中道勢力を一本化したフランスの発言力が強くなった。
    EUはメルケル時代からマクロン時代へ移行しつつある。


  1. 日本のメディアは、EU懐疑派は3分の1を取り、欧州議会は危機に陥ると書いたが、懐疑派はskepticの翻訳で、中身は極右、極左、穏健派など様々。
    ○日本の報道は懐疑派と極右連合をごちゃまぜにしている。極右の集会の映像を使いながら、懐疑派全般の話をするので極右が躍進するように見える。
  2. アメリカの元大統領戦略情報官バノンやトランプ周辺の財閥が支援した極右連合の伊サルヴィーニ、仏ルペン、独AfDは3党あわせて58議席で完敗した。
    ルペンのRNは0.9%、1議席の差でマクロン党を抜いたが、前回14年の選挙の24.5%から1.4%減少、議席も3つ減らした。いま大統領選挙があれば、ルペンは友党がいないので、決選投票でのマクロンの勝利は間違いない。
    極右連合は、前回まではEU全否定だったが、17年の仏大統領選でマクロンに完膚なきまでに論破されたので、「国家と自由の欧州」建設に看板をかけ替え、ナショナリストのヨーロッパを目指すことになった。それでも得票は伸びなかった。バノン、サルヴィーニ戦略の完敗である。
  3. シャンゼリゼの暴力デモを暗に支援したメランションの「不服従のフランス」の極左会派は、極右以上の敗北だった。17年大統領選の19.8%から、今回の6.3%に激減した。
  4. 英ファラージュのBrexit党は31.6%と最高の得票率を獲得したが、今年10月末には離脱することになるので、選ばれた議員は議場に座ることなく退場する。

◎日本メディアの大誤報はなぜ起こるのだろうか。4大紙の選挙結果を報じた5月28日の見出しは次のようなものだった。
日経新聞;朝刊第2面。メインの見出しは、「EU統合試練 懐疑派三割」。
サブ見出し「移民、財政, 溝深く」。新しい親EU派の躍進に一言も触れていない。
朝日;27日夕刊1面で、「中道2会派過半数割れ」。
翌28日朝刊3面でメインは「欧州議会 中道2派退潮」、サブ「過半数割れ 親EU多数派維持」。過半数割れがどこにかかるのか不明。
この朝日の記事には各会派の確定議席数が、親EUと反EUにきちんと分けて掲載されている。合計すると親EU計504となるが、この数字は記事になっていない。
さすがに親EUが多いのに気が付いてサブの後半を慌てて差し替えたのか。
読売:「EU懐疑派 仏伊で第1党」。サブ「議席3割へ 予算審議難航も」
4紙のなかでも最悪のでたらめ見出しだ。欧州議会全体から見れば、ごく少数にとど まった仏伊の極右が3割獲得したのかと思わせる悪質な書き方だ。読売はよほど極右がお好きらしい。
以上3紙は今日に至るまで、親EU派が3分の2を超えたことを一言も報道していない。
毎日;第1面メインは「2大会派 過半数割れ」サブ「親EU、3分の2は維持」3分の2がサブであっても見出しに出た唯一の例。
さらに毎日は第6面の全面を使って特集。「欧州政治 地殻変動」。横見出し「新興の親EU会派台頭」。中央横見出し「懐疑派躍進に歯止め」。不十分ではあるが、4紙で唯一のまともな特集だ。
なぜこんな大誤報がまかり通るのか。日本にとってEUは敵視すべき対象ではないのに、米英メディアのEUこきおろしの情報をそのまま無批判にキャリーするため、今回のような誤報が生じるのだ。アングロサクソンが噴出する有害な毒ガスにすっかり侵されている状態だ。メディアにはそれを自覚するところがまったく見られない。
スマホ文化は一人が書くと横並びで同じことを書く。スマホ見出し文化は思考停止を意味する。考えるジャーナリズムが失われないことを心から願う。


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